店主日誌
2006年1月

1/26
(木)

 フランスからお客様二人ご来店。最近、外国のお客様がよく訪れるのは、ただの異国趣味だけではなさそう、楽器としての三味線がようやく当たり前に往来する時が来たと思えることがある。

 近所に住むベルギー人がふいとお店に来て話しこんでゆく、と言っても彼は日本語が達者なので、わざわざ私が流暢な英語で応対しなくとも済むので手間が省ける・・・なんちっち。現在も二人のアメリカ人から三味線についてメールの問合わせがあり、実は親しい方に通訳をしてもらいながら交信中だ。

 いつも元気で可愛い『あんみ通』のお二人もこないだ全米ツアーときたもんださ。木乃下真市氏は2、3日前ニューヨークでコンサートだったし、来月は上妻宏光氏が同じニューヨークで、吉田兄弟も新田親子も国本武春氏もアメリカ。またCD録音にロサンジェルスまで行って製作してくると言う若手の本格プレーヤーも出てきた。カリフォルニアのケビン・メッツはお客様でもあるけれど仲のいい友達だと思っている。

 一方、先述の『Rin』もこないだフランスのニースでコンサート。ニースといやあ、あれでしょ、カンヌ映画祭、カトリーヌ・ドヌーブも来るし、ジーナ・ロロプリジダだってやってくるって言う・・・どうも古いね。『Rin』の女性3人は女子十二楽坊並みのスタイルとセンスの、あ、いや、もちろんそれ以上でしょう。

 そう言えばシンガポールから若い女性が来店したのは昨年の10月頃か、あんまりステキなのでシンガポールへ行ってみたいななんて、あの時思ったっけ。韓国や中国の人も来た。みな若い女性だったな。みな可愛い人ばかり。あれ、何書いてんだっけ、なはは。。。

1/25
(水)

 今朝、『カムイ伝』21巻を読み終わる。昔、札幌で知り合ったばかりの友人から借りた『罪と罰』を一日中読んで深夜に読み終えて、あまりの興奮を抑えることができず、その感想をすぐに伝えたく住んでいた南6条から徒歩で凍った雪の上を何回もすべって転びながら、中島公園を越えて豊平川の向こうにある友人のおんぼろアパートを訪ねた。妖しいピンクの電球(この友人は道路工事中の注意ランプの傘を盗んできて裸電球にじかにかぶせたものだから、その赤い傘が溶けてピンク電球になってしまったのだ)の下、夜明けまで一方的にしゃべりまくった日のことを、何故か思い出した。何を話したかはまるで覚えちゃいないし、まくし立てたいわけでもないが・・・。

1/23
(月)

 案の定、M・山口ダウン。土曜日の帰りは真夜中1時頃になったようだ。昨日は熱が出て一向に下がらず、今日は一日中、布団の中だろう。

1/21
(土)

 早朝、布団が冷たくてもの凄く冷え込んでいるなと思ったら、外は真っ白な雪景色。M・山口はサイレントのユニットの組立てやマイク製作のため早くから雪の中を北の作業場へ向かって旅立って行った。暖房もろくすっぽない作業場で丸一日立ちぱなしの労働だ。今日はしんしんと冷え込むな・・・ごくろうさま。

1/20
(金)

 朝、去年の夏におこなった『第34回ちとしゃん亭』のDVDを編集していたら、途中から面白くなって2時間全部見てしまった。アメリカから来たケビンメッツ氏の『ルーピング』のあと、そこへセ三味ストリートが飛びこんできて即興でやり始めるわ、S・山口がギターでからむわ、メチャクチャな組み合わせはお客さんを拍手と笑いで一杯にした。この数ヵ月後、萩原遼&ピエール小野のセ三味ストリートはこの偶然の出会いをきっかけにケビンの住むカリフォルニアへ旅立つことになる。
 他にもパワフルな演奏を沢山見て出勤前にグッタリ。

1/18
(水)

 そう、このところ『カムイ伝』を毎日読んでいるが第1部全21巻のうち9巻を読み終えた。1960年代後半から70年代にかけて若者に圧倒的に支持された漫画だ。何しろ話が壮大で、暗澹な時代の身分差別を主題にした重い描写にもかかわらず、緻密な構成と自然や人間に対する洞察力が一縷の希望を抱かせ、そこが惹きつけてやまないところ。たいてい深夜か早朝に読むのだが1巻読むのに2時間かかる。1冊読み終わるごとに「ふ〜。」と溜息をつく始末。

1/17
(火)

 新年はお正月らしくお雑煮を食べ、おいしいお酒をがぶがぶ飲み、コタツに入ってビデオで映画を沢山見てごろごろ寝て、起きてはまた飲み喰い、漫画を読み、覚えたてのDVD編集に明け暮れ、そのままコタツで寝て目が覚めたらまたビールを飲み・・・。久しぶりにお正月を・・らしく、ゆっくり堪能した。

 6日から仕事が始まり、2006年がスタートした。10日は、上野国立博物館で翌日から開催される『日本と中国〜書の至宝』展の歓迎レセプションで『Rin』の演奏が催された。『Rin』は三味線、薩摩琵琶、筝、十七絃、尺八を演奏する若い女性グループだが、その吉永真奈さんと新井智恵さんのお二人が初めて『夢絃21』を使用。M・山口がお手伝いに出掛ける。

 そうそう、三味線かとうのHPのアクセス数が20万件を越えた。1月11日の深夜だったが、折りしも数十年ぶりに読み返した愛読書『カムイ伝』に没頭していた時だった。多分K点を超える瞬間はカムイの必殺技『変移抜刀霞斬り』が生れた、まさしくその瞬間を読んでいた時に違いない。早すぎて・・・目にも止まらず。