話の重箱
津軽三味線とギターの即興対決


 今注目の津軽三味線弾き、木下伸市と、ジャズ、ロックのトップギタリスト、渡辺香津美が7月16日、日暮里サニーホールで火花を散らした。「夢の超絶技巧異種格闘ミュージック」と題された通り、二人の磨かれたテクニックと感性がエレキ三味線とエレキアコースティックギターでぶつかりあい、観客を大いに湧かせた。
 余裕の渡辺と勢いで突っ走る木下の即興のやりとりは、一回りの年齢の差を感じさせた。渡辺は木下にリードを取らせるように、津軽三味線の旋法に合わせたが、その中にもスパイスの効いたジャズコードを散りばめ、また三味線奏法を真似するなどして、聴くものをうならせた。欲を言えば、木下も伝統的旋法や奏法だけにこだわらず逆にオリジナルロックで披露する得意の洋楽的旋法や手法を織りまぜて応じればもっとよかった。
(た)

邦楽ジャーナル1994年9月号より


 津軽三味線チャンピオン・木下伸市とスーパーギタリスト渡辺香津美の超絶技巧対決!

 三味線かとう主催ちとしゃん亭特別企画第二弾「夢の超絶技巧異種格闘ミュージック」コンサートが7月16日、東京・日暮里サニーホールで聞かれた。
今回は津軽三味線全国大会で2年連続優勝した木下伸市と、世界で活躍中のスーパーギタリスト・渡辺香津美との対決がメーンのライプ。
 パーカッションの海沼正利、和太鼓の木津茂理の演奏でスタート。上妻宏光、澤田勝成、木下伸市の津軽三味線ソロ演奏と続き、木下、澤田、上妻の3人が「稗鳩節」「三十三間堂」を演奏、木下は三味線だけでなく自慢ののども披露し観客を楽しませた。
 後半は、渡辺香津美のギターソロで渡辺が得意とするビートルズナンバーから「フール・オン・ザ・ヒル」を演奏。秀でたテクニックと音色の甘さに観客は魅了された。ラストは本日のメーン、木下伸市の津軽三味線と渡辺香津美のギターの対決。木下のオリジナル「夢の都」を両者の持ち味を存分に発揮し、一歩も譲らぬ白熱した競演に会場の拍手はいつまでも鳴りやまなかった。

みんよう文化1994年9月号より

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